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「TV海賊チャンネル」
1983年4月から86年3月まで続いた民放各局の土曜深夜の過激な深夜番組戦争は日本テレビの「TV海賊チャンネル」の終了とともに終焉となります。
 当時、お気楽な肩の凝らない娯楽としての「深夜番組」は、現代のようなAV作品がレンタルビデオ店で気楽に借りられるような状況ではない時代には大人の唯一の楽しみでした。(土曜日ということで未成年でも親に隠れて見ていましたが)
 この番組も御多分にもれず、かなりエッチな番組でした。生放送を主体にロケのVTRを織り交ぜながらスタジオでのハプニングを期待しつつ固唾を呑んでTVにかじりついていた記憶があります。TVに登場する女性は、当時としては映画館のスクリーンでもおなじみの日活ロマンポルノの女優さんだったり「プレイボーイ」や「平凡パンチ」など雑誌で活躍していたセクシータレントさんでした。
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 放送批評(1985年3月号)の特集記事テレビの創る世界「土曜深夜のカゲキな戦い」で当時の著名人の方々が論争していますが「ミッドナイトin六本木」(テレビ朝日)、「オールナイトフジ」(フジテレビ)、「ハロー!ミッドナイト」(TBS)と各局、嗜好を凝らした企画で日本の深夜をエキサイトにしていました。当時は、VTRなどの録画機器が普及しておらずリアルタイムで視聴するしかありませんでした。(臨場感のある番組で時間を共有している興奮がありました。)若者にとってはあこがれと妄想が入り混じった体験をする思いであり写真ではなく動画としての満足感がありました。
 担当のプロデューサーが語っていますが、「この番組のコンセプトは、すでに先行して放送されていたフジテレビの「オールナイトフジ」から遅れること1年半の準備期間を経て、それまでフジテレビがとっていた素人の女子大生を出演させる方法よりも、それを上回るお色気路線を打ち出すことによって視聴者を獲得する。」ことが求められていたのです。
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 今回、テレビマン所有のVTRから発見された1985年5月25日放送分の「TV海賊チャンネル」においても、当時、日活ロマンポルノに出演していた「小田かおる」さん「青木琴美」さん「井上麻衣」さんを「ピンクキャンディーズ」として出演させるなど、かなりお色気を意識したものとなっています。また、その他に出演している女性陣も「ペントハウス」ギャルを配するなどメインMCとそれを取り巻くギャル軍団の構図はこの番組の常套手段だったのかもしれません。ちょっとエッチなギャル軍団の存在は、この放送を視聴している10代から20代の若者にとっては性の対象としては格好の材料となったに違いありません。少し綺麗なお姉さんがエッチな格好で画面に登場するだけで楽しいのは今も昔も同じです。悶々とした深夜の一服の清涼剤としてのお色気番組はかつて大人向けの番組として大評判であった「11PM」を彷彿とさせるものがあります。青春の1ページとして記憶に残るもの。しかし、悲しいかな、それぞれの記憶の中に存在するこれらの番組も時間の経過とともにみんなの記憶から忘れ去られることになるのもTVの宿命なのかもしれません。TVという媒体はそれ自身は反復することのできない一過性のものでありそれを視聴したもののみが共有するものです。(本文中、行政通信社発行の「放送批評」1985年3月号を参照及び引用している部分があります。)


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メインのMCを務める所ジョージさんとアシスタントの熊谷真美さん

★構成内容★(1985年5月25日の放送より)

冒頭部分は録画がありませんので内容の確認ができませんでした。

(1)瀬田よしみの「お灸コーナー」
(2)ピンクキャンディーズ(小田かおる・青木琴美・井上麻衣)が「背中に御用心」を歌う。
(3)PENTHOUSE GALの「お嫁に行きたい素人ギャル」
(4)晋也の部屋「ハードボイルドについて」
(5)所ジョージの歌
(6)読売新聞「あすの朝刊」で読売新聞の金行章輔さんとタレントの市川かおりさんが朝刊のニュースを紹介
(7)「帰ってきた幻のコメディアン」内藤陳さんがショートコントを演じていました。
(8)越前屋俵太と滝川真子の「鬼退治」ということで今日は東急目蒲線・下丸子駅前に出没!
(9)みんなで深夜の競馬予想「第52回日本ダービー」の予想をしていました。
(10)コンピューターの馬券予想とLAOX提供のテレビゲーム紹介
(11)マリーお姉さんの「English Time」
(12)ヨーコの「愛の宅配便!出前!イッてみるく?」
(13)「VOID TIME」今井由利香先生の占いコーナー
(14)歌のコーナー香川ゆりの「心の傷あと」
(15)プレゼントコーナー(エンディング)

★日本テレビ★
「TV海賊チャンネル」1984年10月6日~1986年3月29日(23時55分~)

★TBS★
「ハロー!ミッドナイト」1984年10月6日~1985年3月30日(24時05分~)

★フジテレビ★
「オールナイトフジ」1983年4月2日~1985年3月30日

★テレビ朝日★
「ミッドナイトin六本木」1984年10月6日~1985年9月21日(24時10分~26時00分)

映像は「TV海賊チャンネル」1985年5月25日の放送より使用しております。


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フジテレビでは、「とんねるず」や「ウッチャンナンチャン」が活躍した「オールナイトフジ」が終了してからは久しく土曜の深夜に視聴者が戻ってくることはありませんでした。「殿様のフェロモン」は、若手芸人であった「ナインティナイン」「よゐこ」「極楽とんぼ」が新たに起用され視聴者を獲得するべく斬新な企画を引っさげて登場しました。番組の構成はメインの司会者、中山秀征を筆頭に、MCに常盤貴子を起用するなどしています。また、中堅の今田耕司を主要なコーナーに配置するなどしてメリハリをつけていました。当時の出演者の中で本田みずほ以外は現在でも活躍しています。アンバランスは東京キー局の制作する番組にはあまり出演する機会がなくなります。

「殿様のフェロモン」
1993年10月16日~1994年3月26日  毎週土曜日25時30分~27時00分生放送。

今回は1994年2月12日に放送された番組を採録する形で再現してみたいと思います。
出演者(中山秀征・今田耕司・常盤貴子・武田真治・千葉麗子・シャ乱Q・ナインティナイン・よゐこ・極楽とんぼ・光浦靖子・本田みずほ)アンバランス(山本栄治・黒川忠文)フェロモンズ・ゲストはRIKACO、東京国際ボートショー94マーメイドクイーン3名
エンディングテーマ高橋ひろ

★オープニング★
出演者の常盤貴子が臨時ニュースが入ったということで番組が30分押すと聞かされる。その空き時間に常盤の楽屋で「おはようナイスデー」の奥山英志レポーターのインタビューを受けることに。しかし、これは常盤へのだましでありすでに本番は定刻通りに始まっていた。スタジオでは中山秀征・今田耕司が番組を進行しているが、常盤はその状況に気がついていない。なにも知らない常盤は奥山のインタビューに延々と答え続けていた。出演者もいつ自分にだましの罠が降りかかってくるか?きがきではなかった。そんな中、中山と今田は奥山に常盤に色々な難題を指令する。それを知らない常盤は言われるがままの状態だ。さていよいよネタをばらすときが、奥山が備え付けのTVを点けると常盤の姿が映し出される。それを見て気が動転する常盤は思わず涙ぐんでしまう。だましに気づいた常盤はスタッフに誘導され涙ぐみながら急いでスタジオへ。

コーナー①「フェロモンズ家庭訪問」秋山温子編
       フェロモンズの自宅を今田耕司が訪問して色々な格好をさせて写真撮影をしたり私物を物色する。

コーナー②八木亜希子アナを探しにスポーツ局に潜入するが、みごと騙される岡村。突然、マッチョマンに担ぎ上げられ窓から雪の上に放り投げられる。本来は八木アナを騙すはずであったが大雪の影響で帰社できず急遽岡村を騙すことに。

       RIKACOの宣伝している口紅のコマーシャルの宣伝

コーナー③「金粉・銀粉ドラマ ホワイトバレンタイン」出演者「銀粉の男」・・岡村隆史「金粉の女」・・藤田直美「ピン粉の女・・細谷宏美」「銅粉な2人組・・アンバランス」「成金粉カップル・・佐久間茂、松本梨紗」スキー場で水着に金粉を塗ってのショートドラマ。

コーナー④現ナマ争奪若手お笑い芸人アップダウン股裂き大喜利

コーナー⑤極楽とんぼのフェロモンズの楽屋訪問・・フェロモンズの私物を物色し回す極楽とんぼ。偶然、中山の私物を発見し物色をはじめる。あせる中山いろいろなものが出てくる。思わず極楽とんぼが「中山さん!2000円しか入ってないじゃないですか。」と叫んでしまう。

番組中、何のだましも受けていない今田が最後に常盤に逆襲されパイを投げられる。

エンディング曲「アンバランスなKissをして」高橋ひろ

HPのコラムを再録しています。