fc2ブログ
 1986年にテレビ朝日の火曜日の深夜枠で放送されていた伝説の青春ドラマ「トライアングルブルー」の最終回の模様をお送りする第3回目。ドラマをご覧になっていた方は懐かしく、そうでない方には雰囲気だけでも感じていただけれは幸いです。

「トライアングル・ブルー PART3」

★出演★
石山浩之・・・石橋貴明さん
木元 昭・・・木梨憲武さん
島野理恵・・・可愛かずみさん
柴田由季子・・・樹本由布子さん(木元ゆうこ)
吉田麻里・・・大川陽子さん
山崎久美・・・山崎美貴さん
コー・・・前田耕陽さん
三好裕二・・・柄沢次郎さん
佐伯ともみ・・・川上麻衣子さん

放送期間・・・1986年1月7日~2月25日
火曜日
作・・・秋元 康さん、関根清貴さん、野村弓子さん
演出・・・新井義春さん、多田羅敬二さん 
制作協力・・・田辺エージェンシー
企画協力・・・ D3 Company 
製作著作・・・テレビ朝日

オープニング曲・・「オリエンタル・ローズ」(杏里さん)
エンディング曲・・・「私星伝説」(真璃子さん)

①雪の降る街角(夜道)

粉雪舞い散る街並みを歩いている石山と木元。
石山「寒みな~。」
木元「雪なんか降りやがってよ~っ。」
あるビルの入口に差し掛かる。すると、丁度、見覚えのあるカップルが出て来るのを発見して慌てて物影に隠れる2人。楽しそうに出て来たのは、ともみと裕二。
木元「(石山に)見た?見た?」
石山「ありゃ~。お前、上海豚やないけ~。」
木元「スウェーデンに行ったらしいから、スウェーデン豚だ。全然、見ないと思ったら、こんなところに居たのか。」
石山「こりゃ。あんた写真、撮っておかなきゃあきまへんで。」
木元「ゲージュウ(50万)になりまっせ。ゲージュウに。」
石山「おいしい。」
木元「ほな。撮りまっか?」
石山「行きまひょか~。」

tb86-01.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

テーマ曲が流れ出す。杏里さんのコンサートの模様にカットインする形で出演者のイメージショットが入る。

②喫茶店

由季子と麻里が待っているところに石山がやって来る。
由季子「あ~っ。これで役者は揃った。」
石山「どういうことだよ。」
由季子「うん。」
そこに、木元が入って来て無理やり座ろうとする。
由季子「ま~た。余計なのが、首を突っ込みたがるんだから。」
木元「何?3人で話・・・仲間に入れてよ。」
由季子「この2人に用があるの。昭ちゃんが入って来ると話がややこしくなるから。あっち行っててよ。」
木元「そんな言い方すること・・・。」
石山「どっか行け。」
麻里「(木元に)残念ながら必要なさそうね。」
木元「あっ。そう。」少し不満だが立ち去る木元。
由季子「徹底的に暇人だね。」
麻里「物好きなのよ。単に。」
石山「(由季子に)それで、俺に何しろっていうんだよ。」
由季子「うふふ。やあ。あの。覚えてたの約束。」
石山「当たり前だろ。男。石山。やる時はやるよ。」
由季子「・・・。」
麻里「もったいぶってないで言ってよ。」
由季子「あのね。あの部屋。気に入ってたりするのよ。」
麻里「どういう事?」
由季子「理恵ちゃん。ひとりじゃ払いきれないでしょ家賃。だから、あの部屋、空けて欲しいのよ。まっ。私と理恵ちゃんが一緒に住める訳ないし。」
麻里「まあね。」
由季子「(少し怒って)それは、お互い様でしょ。・・・私が言ったんじゃ角が立つでしょ。だから、2人に協力してもらって、何とか波風立てないようにね。やって欲しい訳。理恵ちゃんをあの部屋から追い出す・・・。」
沈黙する石山と麻里。
由季子「悪い話じゃないと思うのよね。石山君にとっては・・・頭悪いわね。チャンスじゃない。理恵ちゃんと一緒に住めるね。」
石山「あ~っ。なるほどな。」
由季子「そう。(2人に)とにかくよろしくね。話は早ければ早い方が良いので、よろしくお願いします。」
そう言って立ち去る由季子。思案する石山と麻里。

tb86-02.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

③理恵の部屋

鏡台に座り鏡に映る自分の顔を見ながら色々な表情をしてみる理恵。そのうち、「は~っ。」息を吹きかけると見る見る曇り出す鏡。その光景を見て何か考え事をしている理恵。

④階段を登り、理恵の部屋の前まで来てインターホンを押す女性の指。誰なのかわからない。

⑤理恵の部屋の前

「はい。」部屋の中から聞こえる理恵の声。ドアを開ける理恵。開けるなり女性の姿を見てびっくりする理恵。ドアの前に立っていたのは留学しているはずのともみ。
ともみ「理恵!」
理恵「あ~っ!!」
玄関で抱き合う2人。
理恵「本当にともみ!?あ~ん。どうしたの一体。」
と、男性の声「相変わらずだな。お前は。」
理恵「(男性の姿を見て)あははは。裕二君!?」
裕二が姿を現す。
理恵「やだ。役者が揃っちゃった2人で。あ~っ!」
また、ともみと抱き合う理恵。

tb86-03.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑥喫茶店

まだ、話をしている石山と麻里。

石山「じゃあ。何。俺が一人でやれって。」
麻里「そういうこと。」
石山「そりゃ。ねえんじゃねえか。お前だって由季子のこと何でも聞くって言ったんだから。」
麻里「私が出てった方が、話がこじれると思うけど。・・・ねっ。お願い。(手を合わせて)この通り。あの部屋に理恵ひとりにしたの私だし。お願いします。」
石山「まあ。俺も理恵ちゃんと住みたいしな。」
麻里「そうでしょ。」
石山「ここは、ひとつ。「します。」「やります。」「引き受けます。」の石山がひとつ「パッ」とやりますか。」
麻里「(石山の肩を叩き)うん。しっかりね。」
話がまとまり立ち上がる2人。
石山「なんかこう。俺、丸め込まれているような、そんな感じが・・・。」
麻里「ううん。ない。ない。行こう。行こう。」
石山「大丈夫だな。よし。よし。」

tb86-04.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑦理恵の部屋

楽しそうに話をしている理恵、ともみ、裕二。
理恵「もう。驚ろかさないでよ。突然、帰って来てさ。それも裕二君と一緒なんだから。」
ともみ「いや。別にそういうつもりじゃなかったんだけど。本当。突然、帰ることになっちゃったから。」
理恵「何で?」
ともみと裕二がお互い見つめ合う。
理恵「何で?」
裕二「うん。そうだね。2人で積もる話もあるだろうから。俺。あいつら。覗いてこようかな。」
ともみ「(思い出したように)あ~っ!石山君たち元気?」
理恵「元気よ~。元気。何にもないけど元気。元気。元気。嫌になっちゃうくらい元気。」
ともみ「うふふふ。」
裕二「じゃあ。ちょっと行って来るわ。」
ともみ「うん。」
裕二「(理恵に)じゃあね。」
理恵「うん。後でね。」
裕二が居なくなったのを確認して、ともみの頬を軽く叩く理恵。
ともみ「痛いな。」
理恵「ずっと続いてたの?裕二君。」
ともみ「え!?続いてたとか。そういんじゃなくて・・・たまに手紙なんか書いたりしてた。」
理恵「手紙?文通?暗~い。文通。」
ともみ「いやいや。・・・いや。あのね。裕二君さ。あの。一緒に暮さないかって。」
理恵「うそ!?」
ともみ「今、すぐって訳じゃないけど。私がちゃんと勉強して帰って来たらね。「一緒に暮さないか?」って。」
理恵「決めたの?」
無言でうなずくともみ。
理恵「(テーブルを叩いて)おめでと。」
ともみ「ありがとう。」
理恵「素直でよろしい。・・・そうか。でも。やっぱり羨ましいな。私なんかさ。また、ひとりになっちゃったんだよね。」

tb86-05.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑧物思いにふけりながら街を歩いている麻里。

⑨事務所

ソファーに座っている石山と木元。

石山「やっぱり。そのベットはダブルだよね。いや~っ。スペースじゃシングル?カーテンはやっぱり・・・。」
木元「何。ブツブツ言ってるの?」
石山「こう。ベージュ系統で・・・。」
木元「ねえ。何の話だったの。あれ。話!・・・オイ!!」
石山「何だよ。」
木元「由季子だよ。由季子。」
石山「え!?アイツは何か理恵ちゃんのとこ住みたいらしいよ。」
木元「またかよ。」
石山「そいで、俺が理恵ちゃんと一緒にどっか一部屋借りて住むと。そういうことだな。」
そこに、裕二が登場する。
裕二「何やってんの?」
石山「おっ!」
木元「わ~っ。」
石山「オープニングで出たと思ったらいきなり。」
木元「現れたのはヒーロー。」
裕二「どうせ、いつも下らない相談でしょ?」
石山「どうせ、いつも下らない相談でしょ。」
木元「来たな。」
石山「いいな。・・・せっかく来てもらったんだけどな。俺、ちょっと用があって行かなきゃいけないんだ。」
「ダブルべッドにして・・・。」ブツブツ言いながら立ち去って行く石山。後に残された木元と裕二。
木元「う~ん。元気?」
裕二「うん。元気?」
木元「うん。見りゃわかんでしょ。」
裕二「由季子は?」
木元「う~ん。嫌な奴来たな。」

tb86-06.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑩理恵の部屋

話が尽きない理恵とともみ。
理恵「誰!?」
石山「うん。」
理恵「あれ!?」
石山「うん。臭いと思ったら上海豚。」
ともみ「あのね。」
石山「お前。いつ帰って来たんだよ?」
ともみ「ついさっき。」
石山「あっ。そうか。帰って来て早々悪いんだけど(背中を叩き)席を外してくれ。」
ともみ「え!?」
理恵「何言ってるの?」
石山「2人きりで話したいことが・・・。」
ともみ「私、いいけど。何なの?」
石山「ちょっと悪いな。」
ともみ「じゃあ。また、後でね。」
理恵「ごめんね。ともみ。」
ともみが帰ると、石山は理恵の隣に座る。
理恵「どうしたの?」
石山「いや。おう。一緒に住まないかなと思ってな。」
理恵「ん!?」
石山「俺と一緒にどっか部屋を借りてだな。住まないかな?」
理恵「良くないよ。そんなマジな顔して冗談言うの。」
石山「何で!」
理恵「からかわないでよ。」
石山「冗談や洒落とか、そういうのじゃないって。」
理恵「そんな。突然ね。信じられないよ。」
石山「え~っ。どうすんだよお前。ここずっと住むのか?お前。帰って来るあてのない麻里を待ってお前。ここだって結構、家賃するからお前。来月は更新月だろ。礼金だって一ヶ月分入れないといけないし。とりあえずお前一人じゃ払っていくのも大変だろうから。一緒に住まないかなと思ってな。」
理恵「イヤ!・・・お願いわかって。何かそんな気になれないの。・・・だからね。石山君のこと嫌いじゃないの。でもね。寂しいからってさ男の子と一緒には住めないのよ。・・・わかって。」

tb86-07.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑪麻里のアルバイト先

ともみが待っている。その姿を見かけて駆け寄る麻里。
麻里「どうしたの?」
ともみ「ちょっとね。一時帰国。」
麻里「へ~っ。」
ともみ「ねえ。ちょっと時間ある?」
麻里「うん。、まあ。」
ともみ「ちょっと・・・。」

⑫事務所

理恵に一緒に住むことを断られた石山は思案を巡らせていた。
石山「チクショウ。どうするかな。」
木元「石山ちゃんよ。石山ちゃん。さっきからずっと考えてたんだけどね。由季子の野郎、ひとりで住むってことは俺も住めるってことかな?」
石山「あ!?」
木元「あいつがひとりで引っ越すなんてことは間違い・・・。引越しったって荷物いっぱいあるしね。俺がいっしょに住めるんじゃないかな。」
石山「それはどうかわかんねえな。」
木元「いや。だから。突然、突然だよ。俺んところに(木元のひとり芝居がはじまる。)肩を叩き「なんだよ。」「なんだよ。」「木元君!いや。のりちゃん。一緒に住んで。」「何言ってんだよ。え!?一緒に住んで良いの?マジマジ。」「お願い一緒に住んでしばらく。」「重荷になんなきゃ一緒に住んでもいいぜ。」こんな感じになんじゃねえかな?」
石山「そう言うのをお前な。妄想って言うんだよ。」
木元「あ~っ。でも、これがうまく行けば、お前、理恵ちゃんと、俺、由季子、2人ともそろってうまく行くってことになんじゃん。俺、ちょっと行ってくるよ。」
石山「ちょっと、あいつ(由季子)嫌だって言ってたぞ。」
木元「え!?」
石山「嫌だって。」
木元「大丈夫だよ。俺、話つけてくるから。俺、こういうのうまいから。・・・行ってくる。」

tb86-08.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑬休憩室

ともみと麻里の2人きりの部屋。
ともみ「お節介だってことはわかるんだけど。」
麻里「うん。そうね。」
ともみ「どうして。急に。」
麻里「別にケンカしたとか。そういうのじゃないの。」
ともみ「うん。」
麻里「ただ。何て言うかな。疲れちゃったんだな。2人で居てね。2人の距離感がマヒしてきちゃったっていうか。わかんないでしょ。そういうの。」
ともみ「ううん。」
麻里「恐怖感って言うのかな。「このままじゃまずいぞ。」って。すごく漠然となんだけど感じちゃって、そしたら、もうあの部屋に居る気なくなっちゃって。」
ともみ「私も同じようなこと考えてたと思うんだ。だからスウェーデン行ったんだと思う。」
麻里「だったら。」
ともみ「分かるのよ。だから麻里の言いたいこと。良くわかるんだけど、でも、残された理恵の気持ち考えたことある?」
麻里「それは。」
ともみ「あの部屋出ていった私がこんなこと言うのおかしいかもしれないけど、でもさ。出て行った人より残された人の方が辛いと思うよ。2人で住んでた部屋にひとりぼっち残されちゃって、ほら、出て行った人はさ。色んな新しい刺激に出会えて、昔のことなんか忘れちゃうかもしれないけど、でも、残された人は忘れること出来なくて思い出すばっかりだと思うのね。」
麻里「わかるけど・・・。」
ともみ「私も今だから、こんなこと言えるんだけどさ。あん時は、そこまで考えてあげることが出来なかった。だからね。麻里には考えてあげて欲しいんだ。ごめんね。すごい都合の良いことばかり言ってる気がする。」

tb86-09.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑭由季子の働くバー

開店前の薄暗い店内に入ってきた裕二。
由季子「あれ!?めずらしい。どうしたの?」
裕二「変んないな。お前は。」
由季子「ご挨拶ね。飲んでくでしょ?」
裕二「いいのかい?」
由季子「うん。お客様は拒みません。どうぞ。」

⑮理恵の部屋

木元が来ている。
木元「ねえ!ともみちゃん。もう留学終わったんだって?」
理恵「ううん。何かね用があって来たんだって。」
木元「あっ!用?」
理恵「何?」
木元「いや。いや。(お茶を飲む。)」
理恵「(飲んだ時に気が付いて)木元君。何で指輪なんてしてんの?」
木元「これ、ワンフー(ファン)から貰ったんだ。」
理恵「あっ。そう。」
中々、話を切り出せない木元。
木元「あのさ。素直にこの部屋、明け渡してくんないかな?」
理恵「何!?」
木元「いや。だから。由季子が、この部屋。狙ってるらしいんだ。俺と2人で住みたいらしいんだよね。」
理恵「どういうこと?」
木元「いや。だから。この部屋は俺と由季子の愛の巣になるんだ。石山と理恵ちゃんは、他の部屋に移るって話だよ。由季子は石山とか麻里ちゃんにも頼んだんだけどさ。これはやっぱり自分で言った方が良いんじゃないかと思って。」
次第に表情が険しくなる理恵。
理恵「なるほどね。」
席を立つ理恵。
木元「ちょっと。ねえ。ちょっと。」
出掛けようとする理恵。
理恵「由季子、店!!」
木元「だと思うけど・・・。」
部屋を出て行く理恵。
木元「何か話違うのかな?」

tb86-10.jpg
(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

(その4)に続く。

木元の早とちりで由季子がこの部屋を狙っていることをしゃべってしまう。また、それに石山と麻里が関係していることを知った理恵は由季子が働くバーに行くことに。(その4)では、意外な展開が・・・。お楽しみに。

※内容は、放送されたものを採録して再構成しています。ただし、構成上、割愛している台詞があります。


クリックしてね。

にほんブログ村 テレビブログへ
クリックしてね。

d_03.gif
クリックしてね。
スポンサーサイト