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「トライアングルブルー」(その2)

1986年にテレビ朝日の火曜日の深夜枠で放送されていた伝説の青春ドラマ「トライアングルブルー」の最終回の模様をお送りする第2回目。ドラマをご覧になっていた方は懐かしく、そうでない方には雰囲気だけでも感じていただけれは幸いです。

「トライアングル・ブルー PART3」

★出演★
石山浩之・・・石橋貴明さん
木元 昭・・・木梨憲武さん
島野理恵・・・可愛かずみさん
柴田由季子・・・樹本由布子さん(木元ゆうこ)
吉田麻里・・・大川陽子さん
山崎久美・・・山崎美貴さん
コー・・・前田耕陽さん
三好裕二・・・柄沢次郎さん
佐伯ともみ・・・川上麻衣子さん

放送期間・・・1986年1月7日~2月25日
火曜日
作・・・秋元 康さん、関根清貴さん、野村弓子さん
演出・・・新井義春さん、多田羅敬二さん 
制作協力・・・田辺エージェンシー
企画協力・・・ D3 Company 
製作著作・・・テレビ朝日

オープニング曲・・「オリエンタル・ローズ」(杏里さん)
エンディング曲・・・「私星伝説」(真璃子さん)

(その2)

⑩理恵の部屋

黙って酒を飲む石山。黙々とタバコを吹かす木元。なぜか立っているコー。テーブルの上には、ウイスキーと水割りが置いてある。

理恵「偶然、3人揃っちゃって。」
石山「うん。(木元に同意を求めるように)どうって・・・意味ないよな。」
木元「たまにはこういうのも良いんじゃないかな?」
理恵「それだけ?ま、いいけどね。(思い出したかのように)あっ!(棚に置いてあった手紙をコーに手渡す。)コーちゃん。ともみから。」
コー「(それを受け取り)見ていい?」
理恵「うん。いいよ。エヘヘ。」
その手紙を真剣に見入るコー。
木元「うわ。一途だな。」
石山「俺と一緒だな。」
木元「違う。(理恵と顔を合わせうなずく。)」
石山「早くスウェーデン行って、何とかしないと、やられちゃうぞ、ともみ。」
木元「お前。いつ行くの?ねえ。スウェーデンいつ行くんだよ。」
理恵「ウフフフ。」
そこに、チャイムの音。
理恵「あれ?誰だろ。・・・はい。(木元に)ごめんね。」
理恵が玄関に行ったのを確認してコーの頭を叩く石山。
理恵の声「由季子!」理恵と由季子が部屋に入って来る。
由季子「(3人に)ハロー!ハロー!ハロー!」
理恵「どうしたの?」
由季子「いや。あのね。みんなでね、理恵ちゃんの所、行こうって言うのが聞こえたのよ。どっからともなく。」
理恵「あら。そうなの?」
由季子「うん。そうなの。」
理恵「ん。あっ!ちょっと。(自分の飲んでいたグラスを由季子に渡す。)これ、飲んでて。」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

由季子「(それを受け取り)いただきま~す。あっ。おいしい。すごいおいしい。」
木元「(それを見ていて)飲むかい?今日は。」
由季子「盛り上がっちゃおう。」
木元「(理恵の顔を見て)飲むかい?」
理恵「飲むかい?」

⑪由季子と、麻里が働いているバー

店内に軽快な音楽が流れる中、ひとり働いている麻里。

⑫理恵の部屋

飲み会も佳境に入りみんな出来上がっている。

石山「(ウイスキーの水割りを一口飲み)あ~っ。酔っ払っちゃったな。眠くなってきたな。は~っ。おかしい・・・眠くなっちゃったな。(おもむろに、木元、コーに退散の合図を送る。)酔っ払っちゃったな。(もう一度合図を送る。)」
理恵「大丈夫。石山君。」
由季子「口だけ。石山君はいつも。」
木元「これがね。いつもの手なんだよ。自分が酔っぱらっちゃったって(気を)惹こうとする手なんだな。うん。うん。」
コー「でも、事実なんだから。」
由季子「ねえ。弁解の余地なしだよね。」
尚も木元とコーに合図を送り続ける石山。
理恵「(石山に)何やってんの?」
木元「(合図のマネをして)頭、気にしてる訳?何か?寝ぐせ?」
由季子「頭、洗ってないから、痒いんだよ。」
理恵「アハハハ。」
石山「お前・・・。汚ねえとか・・・(尚も合図を送る。)」
由季子「汚い。」
突然、立ち上がる理恵。
石山「あれ?どこ行くの?」
理恵「トイレ。いちいち聞かないで。」
木元「糖尿?」
理恵がトイレに入ったのを確認して、コーの肩を掴み自分に引き寄せて、頭を叩く。
コー「痛って。」
石山「ばかやろう。お前。何考えてんだよ。(合図したら)さりげなく帰るブロックサインって言っただろ。」
コー「すっかり忘れてた。」
木元「(由季子に)サインだったんだな。」
由季子「うん。」
石山「頭の形が悪いだとか。え。お前。」
木元「坊主にするとジャガイモだとか。」
石山「余計なこと言いやがってお前。何を言いやがるんだ。お前。」
由季子「いや。」
石山「(由季子に)大体、お前が来るのが悪いんだよ。」
由季子「なに!?。悪かったわね。せっかく協力してあげようと思ったのに。」
石山「何?協力って?」
由季子「協力してあげようと思ってるんじゃない。」
石山「マジで。」
由季子「そう。・・・ただし、条件付き。」
石山「何だよ。条件付きってのは?」
由季子「うん。・・・わたしに朝まで居てもらいたい訳?」
石山「居てもらいたくねえから言うんだよ。何だよ。条件付きってのは?」
由季子「え~っ。わたしの言う事をひとつだけ何でも聞くってのはどうかな?」
石山「ひとつだけか?絶対だな。」
由季子「そんなに悪い条件じゃないでしょ?」
石山「よし。わかった。」
由季子「あ~っ。よかった。」
タイミングよく理恵がトイレから出て来る。
理恵「トイレ。寒い。」
木元「何?」
理恵「アハハ。(木元に)トイレ寒い。」
木元「冷えちゃったか。」
石山「おしっこしているそばから・・・。」
理恵「風がピューピュー吹いてる。(自分の席に戻り)飲もうぜ。」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

石山「飲もうか。」
由季子「(突然、思い出したように)あっ!?そろそろ。」
木元「(急に吐き気を催し)ブウォー。」
理恵「(木元に)大丈夫?」
由季子「(木元に)どうしたの?」
木元「俺ちょっと・・・先に(帰る)ごめん。ブウォー。」
由季子「(それに促されるように)わたしも。(理恵に)バイバイ。ごめんね。」
理恵「(由季子に)帰るの?」
コー「俺も失礼します。」
理恵「え~っ。ちょっと。」
石山「何だよ。どうしたんだよ。あれ?」
理恵「どうしたの?」
石山「おかしいな?」
部屋に二人きりになる石山と理恵。

⑬ある夜道

さっきとは打って変わって、颯爽と夜道を歩く木元と由季子。

木元「お前も相変わらず人が悪いね。」
由季子「人が良いって言ってよ。だって理恵ちゃんと石山君、いっしょにさせてあげたでしょ?」
木元「そうだけど。お前が来なきゃスムーズに行ってたじゃない。」
由季子「多少、障害がある方がいいの。・・・違うかしら。」
木元「そうだけど・・・。」
由季子、時計を見る。
由季子「え~っ!どうしよう。」
木元「何?」
由季子「あのね。麻里が家に泊まる事になってるの。」
木元「うん。それで?」
由季子「で、麻里ちゃん、鍵持ってないのね。だから、・・・あっ。(送るの)ここでいいや。ごめんね。」
木元「おい!飲みに行こうよ。おい。もう一軒・・・。」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑭理恵の部屋

静まりかえった部屋に石山と理恵がテーブルを挟んで向かい合っている。

理恵「白状しちゃうとね。今、やっと2人きりになれたのかなって感じかな。」
石山「いや。あの。木元とコーは最初から帰る予定だったんです。」
理恵「え!?」
石山「俺、何回も自分の頭叩いた。あれは合図だったんだ。早く帰れって。」
理恵「ばか。」
石山「いや。早く2人きりになりたかったっていうか。これが自然なんだろうけど、中々、うまく切り出せなくって、その。なかなか・・・。」
理恵「ウフフ。」
石山「やっぱり、好きな女の子には、本当、思うのは、みんな当然だろうし、だけど、俺がそういう事言うと理恵ちゃん笑うから。」
理恵「まあね。」
石山「別に理恵ちゃんをどうこうするとか、そういうあれじゃないですけど・・・。」
理恵「飲み明かそうか?2人で。」
石山「いや。もうすぐ俺、帰るから。」
理恵「うん。じゅあ時間決めよう。」
石山「じゃあ。あと1時間。いや、あと2時間だけ。いっしょに飲みたいと思ってます。」
理恵「ウフ。」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑮事務所

コー「ともみさんか。どうしてるかな今頃。」
そこへ、突然、麻里が入って来る。
コー「あれ?何ですか?」
麻里「悪い。一晩でいいから、ここに泊めてくれる。」
コー「え?」
麻里「泊まる所なくなっちゃったの。由季子どこかに行っちゃって。」
コー「木元さんと一緒ですよ。今。」
麻里「本当!?もう・・・ちょっと(座っているソファーからコーを退かして自分が座る。)」
コー「えー。ちょっと、ちょっと。」
麻里「あ~っ。どうせ理恵ちゃんのところでしょ。石山君。」
コー「はい。」
麻里「ならいいの。ちょっと不気味だけどね。」
と、そこへ、木元が帰って来る。
木元「あれ!?麻里ちゃんどうしたの?」
麻里「由季子は?」
木元「泊まりに行くって言ってたよ。」
麻里「え!?」
木元「待ってるよ。」
麻里「わたしのこと。」
木元「うん。」
麻里「本当!?あ~っ助かった。ちょっと、ここじゃ気持ち悪いもんね。・・・どうもお騒がせしまして。」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

木元「あいつがいなければ今日(由季子と)いけたんだよな。」
コー「いや。そんなことないですよ。」
木元「石山、今、一人でやってんだろ?」
コー「一人じゃないですよ。」
木元「ちきしょう。」

⑯雪のちらつく夜道

一人、コートの襟を立てて歩く麻里。

⑰事務所

ソファーに寝ている木元とコー。そこに石山が帰って来る。

石山「(木元に)おい。起きろ。どけどけ。」
木元「何だよ。帰って来たの?」
石山「(コーに)ほら、起きろ。コー。」
コー「もう朝ですか?・・・もう、何で帰って来たの。」
木元「あれじゃねえの。また、理恵ちゃんこまそうとして「何言ってんの?」って言われて・・・。」
石山「何とでも言ってくれ。(ソファーに横たわる。)」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑱晴れ渡る東京の街

⑲ある喫茶店

店の奥の席に座っている由季子と麻里。

麻里「どうして話すのに、わざわざ喫茶店まで来るの?」
由季子「必要性があるんだからしかたない。」
麻里「どういう必要性?」
由季子「今に分かるって。」
麻里「また、何か企んでるの。違う?」
由季子「それは、後のおたのしみ。」
麻里「後の恐怖でしょ?」
由季子「待っててね。もうひとりおバカさんが来ますから。」
麻里「え!?」
由季子「人の言う事は何でも聞くなんて約束はしない方がいいわね。」
麻里「だ~れ?やだ。何考えてんの。」
由季子「それは、これからのお楽しみ。」
意味深な微笑みを浮かべる由季子。

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

⑳事務所

外出の支度をしている石山。

木元「ねえ?ちょっと待ってよ。由季子、何だって?」
石山「え!?そんなの、お前わかんねえ。呼び出されたの俺なんだからよ。」
木元「俺なんだからって・・・ちょっと待ってよ。ねえ。」
石山「お前には関係ないじゃないか。とりあえず何の話だか行ってみないとわかんないよ。」
木元「ちょ・・・。俺も行くよ。」
石山「いいよ。俺だけ呼び出されたんだから。」

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

エンディングテーマ、真璃子さんの「私星伝説」が流れ出す。

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

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(テレビ朝日「トライアングルブルー」より引用)

 突然、由季子に呼び出された石山。麻里が同席するその理由とは・・・。そして理恵との関係はどうなるのか?(その3)は、怒涛の最終回、後編をお送りします。

※内容は、放送されたものを採録して再構成しています。尚、構成上、放送での台詞で割愛している部分があります。

「86年にフォーライフでデビューした後、ポニーキャニオンに移籍し「あなたの海になりたい」でブレイクを果たした彼女のベスト・アルバム。松任谷由実が詞・曲を担当した「セシルの週末」も収録。(「CDジャーナル」データベースより)「トライアングルブルー」のエンディング曲「私星伝説」も収録。

「トライアングルブルー」のエンディング曲「私星伝説」を収録した「THE BEST~真璃子シングル・コレクション」一度、聞いてみる価値はあります。「フォーライフミュージックエンタテインメント」時代のもの。



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